栄養性や美味しさに加えて、健康を増進したり生活習慣病を予防する生理機能性や様々な食品加工を可能とする食品加工特性を増進、付与した‘未来の食品’の開発が望まれています。品質設計開発学分野では、植物性食品タンパク質の改変による高品質化タンパク質の開発をおこなうための基盤的研究を行っています。人類が食品として利用している主要作物のタンパク質の大部分は種子貯蔵タンパク質です。種子貯蔵タンパク質は子葉細胞や胚乳細胞の粗面小胞体で生合成され、液胞や小胞体由来のプロテインボディーに貯蔵されます。われわれは、作物の中でもタンパク質含量がきわめて高く且つ生産量が高いダイズに着目し、種子貯蔵タンパク質生合成の場である小胞体での種子貯蔵タンパク質などの生合成、輸送、集積の分子機構の解明に取り組んでいます。また、将来の品質設計を見据え、農作物の食糧タンパク質がもつアレルゲン性や食品加工特性などの品質と構造との関係を研究しています。